Show あくびの出る話主幹研究員 加藤竹彦 あくびに関する話である。あくびは、間脳にある室傍核のオキシトシン神経から発せられるあくび指令シグナルによって起きるが、発生する原因や生物学的意義はよくわかっていない。一般的な原因としては、眠気・退屈、緊張、病気、脳の疲労、脳の温度調節、感情移入が考えられるそうだ。 眠いときや退屈なときにはよくあくびがでる。これは脳があまり覚醒していない状態で起きるらしいことはわかっているが、メカニズムまでは解明できていない。 あくびがでる病気として、糖尿病、偏頭痛、貧血、脳こうそくなどが知られている。糖尿病は血液中のブドウ糖が減って脳の働きの低下によるものであり、そのほかは脳内の酸素不足が原因といわれている。 一方、脳に酸素が足りないからという説が間違いである、とする実験結果がある。1987年に行われた実験では、高酸素濃度、中二酸化炭素濃度、高二酸化炭素濃度の部屋を用意して被験者を振り分け、あくびの出る回数を計測したところ、まるで変わらなかった。 米国の研究グループは、あくびが脳の温度を調整し脳を冷やすという説を主張している。頭を冷やした人は、あくびが出にくくなることが実験で分かっている。またウィーン大学の研究者は、あくびと気温との関連性を発表している。外気温が体温と同程度以上高いと効果はなく、寒い気候では必要でさえない可能性があるという。 不眠症治療で著名な米国ピッツバーグ大学 睡眠外科医局長のライアン・スーズ氏は、あくびが脳を冷やすという理論から、脳が冷える仕組みを検証した。そして、あくびで上顎洞(副鼻腔の1つ)の仕切り壁が動いて送風機のように拡大・縮小し、脳に空気を送り込んで脳を冷やす、という理論を発表した。人間の脳はコンピューターのように温度に対して非常に敏感で、効率よく機能するためには低い温度を保つ必要があるという。 ペットのあくびは、単に眠気やリラックスの状態だけではない場合があり、飼い主は注意する必要がある。撫でられているときのあくびは、不快感を示しているのかもしれない。叱られているときのあくびは、相手の緊張感を和らげる目的といわれる。このように、犬や猫が相手の気持ちを落ち着かせようとする動作をカーミングシグナルという。また、強いストレスや体調不良による生あくびもある。ちなみに、あくびは哺乳類以外にも爬虫類、鳥類、魚類などもする。 あくびは移る、というのは事実のようである。同じ動物種間でも確認されているし、人のあくびを見て犬があくびをすることもわかっている。あくびの伝染は自己認知や共感性が関与しているとの見解がある。 あくびについて考えたらあくびが出る、という面白い研究もある。1986年から翌年にかけて行われた実験で、被験者に10分間リラックスした状態で座ってもらい、あくびについて考えてもらう。これを3セット繰返して実験中に起きたあくびを分析したところ、通常と比較して回数が圧倒的に多いことが判明した。 あくびの映像を見るとあくびが出る、という実験もある。被験者に、人があくびをしている映像と、人が爆笑している映像を10秒間、5分ずつ視聴してもらった結果、あくびの映像を見た被験者の55%があくびをしたのに対し、笑いの映像では21%だったそうだ。 さらには、あくび文章としゃっくり文章を被験者に読ませると、あくび文章を読んだ被験者の30%があくびをしたのに対して、しゃっくり文章では5%だった、という実験まであるそうだ。 このコラムを読んでいる方もきっとあくびをかみ殺していることだろう。 コラム
あくびはどんな病気? あくびとは、眠気を感じたときなど反射的に深く息を吸う呼吸動作です。 あくびの症状 あくびとは、直接的にその症状を表す言葉だということが言えます。口を大きく開けて、肺の中にたくさんの空気を取り込むような動作を表します。 あくびの原因 あくびは寝不足や疲労などが原因ででることが多いですが、慢性的なあくびの場合には睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となっていることもあります。 あくびの検査と診断 あくびは眠い時にでますが、眠くもないのに何回も異常にでる場合があります。そういう時は脳梗塞や脳卒中の前触れの場合もあるので、眠くもないのに異常な回数がでる場合は病院での検査も大切です。 あくびの治療方法 あくびの治療法、といえば、それは普段の生活でもよく出てくるものなので大げさな表現になります。それは、脳の機能が鈍ってきたということですから、また別の活動を行うことによって、なくすことができます。気分転換に楽しいことをやってみる、脳を休ませるために一度睡眠をとってみる、などが挙げられるでしょう。 あくびは、眠い時や退屈な時に出る生理現象のひとつ。 今回は薬剤師である筆者が、眠気がないのに出てしまう、あくびの理由について解説します。 そもそも、あくびの働きとは?一般的に、あくびは副交感神経が優位な時に出やすいとされています。 さて、それでは、あくびはなぜ出るのでしょうか。 <あくびの働き>
生あくびは病気の警告サイン副交感神経が優位な時に出やすいあくびに対して、交感神経が優位な時に出やすいあくびも存在します。これが「生あくび」です。 生あくびは、緊張やストレスが多い時など、カラダをリラックスさせるための防御反応として出ることがあります。しかし、それ以外にも、脳梗塞や貧血など、治療が必要な病気が潜んでいることもあります。 頻繁に出る生あくび…疑いがある病気は?生あくびが頻繁に出るようになった時に、疑われる病気には次のようなものがあります。 偏頭痛偏頭痛は、脳の血管が急激に拡張することで引き起こりますが、この時に脳の血管に酸素を取り入れようとして、あくびが出やすくなります。その他、脈打つような頭痛や吐き気などの症状を感じることがあります。 貧血貧血により、体内で酸素を運んでいるヘモグロビンの血中濃度が下がります。すると、脳の酸素量が減るため、あくびが出やすくなります。その他、動悸や疲労感、耳鳴りなども感じることがあります。 脳梗塞脳の血管が詰まることで血流が悪くなり、脳内に酸素が十分に行き渡らなくなります。そこで、脳が酸素を欲しようと、あくびが出るようになります。その他、ろれつが回らない、めまい、吐き気などを感じることがあります。 自律神経失調症交感神経と副交感神経のバランスが崩れる──つまり自律神経の乱れによって、あくびが止まらなくなることがあります。自律神経が乱れると、不定愁訴などさまざまな症状が現れやすくなります。 このように、生あくびは病気を警告するひとつの指標となります。 いずれにせよ、いつもと様子がおかしいあくびが頻繁に出るようなら、必要に応じて検査を受けることをオススメします。 ご存じですか? 医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。 こちらも参考に!漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介 生あくびの治し方は?酸欠状態から脱出する方法. 1.運動をする 長い時間同じ姿勢でいると、血行が悪くなって身体を巡る酸素量が減少します。 ... . 2.深呼吸をする 深呼吸をすると、体内に多くの酸素を効率的に取り入れることができます。 ... . 3.鉄分を摂取する ヘモグロビンは、体中に酸素を運搬する役目を担っています。. 脳の酸素不足の症状は?脳の細胞が酸素不足で慢性疲労していると記憶力や集中力にも影響が出てくるので物忘れが多くなったり集中力がなくなったりします。 また脳の酸欠は痴呆の原因にもなると言われています。 眼の筋肉細胞が酸素不足だとピント調節などに影響しモノが見えにくくなります。
生あくびが多いのはなぜ?最も多いあくびの原因は睡眠不足ですが、まれに病気や体の異常によっては生あくびが症状として出ることがあります。 また生あくびだけが起こることはあまりないため、ほかにも合わせて症状があるときにはすぐに医療機関へ相談しましょう。
あくびと生あくびの違いは?日中に生あくびが出る原因を解説
前提として、通常の「あくび」と「生あくび」の違いを理解しておきましょう。 通常のあくびは、疲れている時や眠気がある時に出るもので、日中眠くないのに出てしまうあくびが「生あくび」と呼ばれています。 あくびはまだ謎が多い生理現象だとされており、すべてが解明されているわけではありません。
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