クッシング症候群では、インスリン感受性が亢進する。

イヌの糖尿病とクッシング症候群

クッシング症候群では、インスリン感受性が亢進する。

クッシング症候群は糖尿病と同様に多飲多尿がみられる疾患です。また、糖尿病、クッシング症候群はともに併発しやすい疾患でもあります。糖尿病は比較的に尿検査や血液検査で見つけやすい疾患ですが、クッシング症候群はきちんと検査を行わないと見逃してしまいます。
糖尿病の診断のみで満足せず、クッシング症候群を併発している可能性を常に念頭に置き、診断治療することが必要です。

  • イヌのクッシング症候群とは
  • クッシング症候群と糖尿病の関係
  • 治療法について
  • まとめ

イヌのクッシング症候群とは

イヌのクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)はヒトやネコなどに比べて発生率が高い内分泌疾患のひとつです。副腎からはコルチゾールを始めとするグルココルチコイドが生成されます。グルココルチコイドは生体維持に不可欠なホルモンですが、過剰に生成されると、代謝の異常、異化亢進など生体にさまざまな悪影響を与えます。症状としては、多飲多尿、腹部膨満、皮膚の非薄化、左右対称性脱毛、筋力の低下などが認められます。

クッシング症候群は自然発生性と医原性に分けられます。自然発生性のうち90%が下垂体性、残りが副腎腫瘍によるものです。医原性は治療などでステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を長期的に使用することが原因で発症します。

クッシング症候群と糖尿病の関係

クッシング症候群ではさまざまな合併症を引き起こすことがあります。代表的な疾患が、糖尿病・高血圧・膵炎・感染症です。糖尿病を罹患していて一般状態が低下した状態でクッシング症候群の悪化を招くケース、あるいはクッシング症候群がインスリン抵抗性を誘発することで糖尿病の原因や増悪因子になるケースなど互いに悪影響を及ぼしあう関係にあります。

治療法について

クッシング症候群自体は外科的切除を除いて完治は望めず、切除後もホルモン治療が必要になり基本的には治療は一生涯です。また、多くのクッシング症候群は下垂体性のため外科的切除は困難であり、手術ができる施設は限られています。
クッシング症候群を併発している糖尿病の場合、インスリン抵抗性を示すため糖尿病の治療が極めて困難です。外科的切除は前述の通り困難なことに加え糖尿病併発によりリスクがさらに上昇します。
多くの場合、内科的にクッシング症候群の治療をしながら、インスリンの種類、用法、用量などを検討し血糖値を改善していく治療を行います。

まとめ

クッシング症候群は多飲多尿が認められるところから糖尿病と症状が類似しています。そのため、糖尿病を診断した時は必ずクッシング症候群が隠れていないかを念頭におき、見落としがないかを確認する必要があります。逆も然りで、多飲多尿を主訴に皮膚の様子などで強くクッシング症候群を疑った場合は糖尿病を見落とさないように注意しなければなりません。そして、その時に併発していなかったとしても今後起こりうることを飼い主に説明する必要があります。

獣医師A

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糖尿病のネコに免疫疾患が併発したときはどうする?

糖尿病のコントロールのための併発疾患の治療の重要性

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        • Q115

      • 介護報酬、診療報酬に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 療養食加算は、入院基本料に加算できる。
  2. 栄養マネジメント加算は、居宅サービス費に加算できる。
  3. 栄養サポートチーム加算は、入院時食事療養費に加算できる。
  4. 入院栄養食事指導料の算定対象に、がん患者が含まれる。
  5. 在宅患者訪問栄養食事指導料の算定要件に、調理実技の指導が必須である。

A115 正解(4)

  • (1)療養食加算は介護報酬。入院基本料は診療報酬。療養食加算は指定介護老人福祉施設等で、厚生労働大臣が定める療養食を提供いた場合に加算。入院基本料は医療機関に入院した場合に算定。(2)栄養ケアマネージメント加算されるのは指定介護老人福祉施設で管理栄養士が継続的に栄養管理をした場合。居宅サービス費は介護が必要な高齢者が居宅で受けるサービス。(3)栄養サポートチーム加算は入院基本料等加算。保健医療機関で保険医・看護師・薬剤師・管理栄養士等が共同で診療を行って場合に算定。入院時食事療養費は入院期間中の食事費用。(5)在宅患者訪問栄養食事指導料は調理実技指導は必須ではない。生活や嗜好を考慮した食品構成・献立の交付と具体的指導が必須。

        • Q116

      • 臨床栄養に関わる用語とその説明の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. アドヒアランスー治療への患者の積極的な参加
  2. バリアンスー情報開示に対する患者の権利
  3. ターミナルケアー重症度の判別
  4. ノーマライゼーションー治療の標準化
  5. リスクマネジメントー障がい者と健常者との共生

A116 正解(1)

  • (2)バリアンスはクリニカルパスから逸脱・変動すること。情報開示に対する患者の権利はリスボン宣言。(3)ターミナルケアは終末期の医療・看護のこと。重症度の判別はトリアージ。(4)ノーマライゼーションは障がい者と健常者が共に共生する社会。治療の標準化はクリニカルパス。(5)リスクマネージメントは偶発的・人為的事故を発生させないようにする、又発生した場合損失を最小限になるよう管理。

        • Q117

      • 骨格筋量のアセスメント指標である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 肩甲骨下部皮下脂肪厚
  2. 血中ヒスチジン値
  3. 血清CRP(C反応性たんぱく質)値
  4. 尿中アルブミン排泄量
  5. クレアチニン身長係数

A117 正解(5)

  • (1)体脂肪量の指標。(2)アミノ酸代謝異常の指標。(3)炎症・細胞破壊が起きると急激に増加するたんぱく質。(4)腎機能の指標。

        • Q118

      • 経腸栄養法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 半消化態栄養剤は、脂質を含まない。
  2. 成分栄養剤の窒素源は、たんぱく質である。
  3. 半固形タイプの栄養剤は、胃瘻に使用できない。
  4. 下部消化管完全閉塞時には、禁忌である。
  5. 下痢が生じた場合は、投与速度を速める。

A118 正解(4)

  • (1)5大栄養四素・食物繊維等必要な栄養分を含む。窒素源はたんぱく質。(2)アミノ酸。食物繊維・脂肪はほとんど含まない。(3)胃瘻にも適している。胃食道逆流・誤嚥性肺炎を防ぐ作用もある。(5)遅くする。

        • Q119

      • 静脈栄養法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 末梢静脈栄養法では、1日に2,000kcalを投与できる。
  2. 末梢静脈栄養法で投与できるアミノ酸濃度は、30%である。
  3. 中心静脈栄養法は、1週間以上は実施できない。
  4. 中心静脈栄養法の基本輸液剤には、亜鉛が含まれる。
  5. 中心静脈栄養法は、在宅では実施できない。

A119 正解(4)

  • (1)1日に1,000kcal。PPN用輸液・脂肪剤等を組合わせても1,200kcal。中心静脈栄養法は2,000kcalが可能。(2)10%。血漿浸透圧の3倍を超えると血管痛・静脈炎が起きやすい。(3)2週間以上投与可能。末梢静脈栄養法は2週間未満。(5)実施できる。必要条件は患者の病状・処置体制・患者家族の認識が揃うこと。

        • Q120

      • 食品が医薬品の薬理効果に及ぼす影響に関する記述である。[ ]に入る正しいものの組合せはどれか 。1つ選べ。[a]であるワルファリンの薬理効果は、[b]を多量に含む食品を摂取することにより[c]する。
        • a              b            c

  1. 抗炎症薬ービタミンAー増強
  2. 抗炎症薬ービタミンKー減弱
  3. 抗凝固薬ービタミンAー増強
  4. 抗凝固薬ービタミンKー減弱
  5. 抗凝固薬ービタミンKー増強

A120 正解(4)

  • ワルファリンは抗凝固作用。ビタミンKは凝固作用をもつので多量に摂取すると薬剤作用が弱まり血栓が生じやすくなる。

    • Q121

SOAPとその記載内容の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. Sー低栄養状態である
  2. Oー血清アルブミン値2.8g/dL
  3. Aー家に帰りたい
  4. Aー嚥下調整食の指導
  5. Pー水を飲む時にむせる

A121 正解(2)

  • (1)S=主観的情報。患者の話から得た情報を記載。(3)(4)A=評価。診断を指しS・Oから考えられることを記載。(5)P=計画。治療方針・内容・生活指導を記載。

    • Q122

薬剤とその適応疾患の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. エリスロポエチン製剤ー骨粗鬆症
  2. HMG-CoA還元酵素阻害薬ー胃食道逆流症
  3. 抗TNF-α抗体製剤ークローン病
  4. ヒスタミンH2受容体拮抗薬ー高LDL-コレステロール血症
  5. ビスホスホネート薬ー腎性貧血

A122 正解(3)

  • (1)腎性貧血。エリスロポエチンは腎臓で合成される増血因子。(2)高コレステロール血症。体内でアセチルCo-Aからコレステロールが合成される反応のHMG-CoA→メバロン酸の還元反応を阻害。(4)胃食道逆流症。胃酸分泌を抑制することで胃・食道の粘膜炎症を抑え防ぐ。(5)骨粗鬆症。骨吸収(破骨)を抑える。

    • Q123

肥満症に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 高度肥満症は、BMI30kg/m2以上をいう。
  2. 高度肥満症の治療には、外科療法がある。
  3. 除脂肪体重の減少を目指す。
  4. 超低エネルギー食(VLCD)は、600kcal/日以下である。
  5. VLCDによる治療では、乳酸アシドーシスを生じやすい。

A123

正解(2)かつ(4)

(1)BMI35kg/m2以上。肥満1度-25~30未満、肥満2度-30~35、肥満3度-35~40未満、肥満4度-40以上。(3)体脂肪量の減少。(5)ケトアシドーシスを生じやすい。

        • Q124

    • 54歳、女性。現体重52kg。標準体重50kg、事務員(軽労作)。合併症のない2型糖尿病と診断された。この患者の1日当たりの目標栄養量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
        • エネルギー たんぱく質 脂質
          (1) 1,500kcal 60g 40g
          (2) 1,500kcal 80g 60g
          (3) 1,750kcal 60g 40g
          (4) 1,750kcal 80g 60g

A124

正解(1)

(1)エネルギー摂取量=標準体重kg×身体活動量kcal(軽労作25~35kcal/kg)。たんぱく質=標準体重kg×1.0~1.2g/日。脂質=摂取エネルギー-糖質エネルギー-たんぱく質エネルギー。1,500-900(糖質エネルギー:摂取エネルギーの55~60%)-240(たんぱく質エネルギー:60g×4kcal)=360→360÷9(脂質1g=9kcal)=40g

    • Q125

  • 高カイロミクロン血症の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 炭水化物の摂取エネルギー比率は、30%E以下とする。
  2. たんぱく質の摂取エネルギー比率は、10%E以下とする。
  3. 脂質の摂取エネルギー比率は、15%E以下とする。
  4. n-3系脂肪酸の摂取量は、制限する。
  5. 食物繊維の摂取量は、制限する。

A125 正解(3)

  • カイロミクロンは食物中脂質を腸から体内へ輸送するリポタンパク質。食事中脂質エネルギー比率を15%E以下に制限。(1)脂質を制限するので若干高くなる。(2)脂質を制限するので若干高くなる。(4)血中の中性脂肪を低下させる作用があるので増やす。(5)肥満予防・血中コレステロールを低下させる作用があるので増やす。

    • Q126

  • 高尿酸血症の栄養管理および治療薬とその主な効果の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 十分に水分を摂取するー尿酸産生抑制
  2. 果糖の過剰摂取を控えるー尿酸排泄促進
  3. アロプリノールー尿酸産生抑制
  4. プロベネシドー尿酸産生抑制
  5. コルヒチンー尿酸排泄促進

A126 正解(3)

  • (1)尿酸排泄亢進。腎臓でろ過された尿酸6~10%は尿中に排泄。(2)尿酸産生抑制。果糖代謝はATPを多く必要なためアデニンが分解、尿酸合成が亢進。(4)尿酸排泄亢進。腎臓の尿細管で尿酸再吸収を阻害、排泄を増やす。(5)痛風による関節炎の発作を予防。

    • Q127

  • 胃食道逆流症の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 高脂肪食の摂取を勧める。
  2. かんきつ類の摂取を勧める。
  3. 分割食を勧める。
  4. コルセットの着用を勧める。
  5. 食後すぐの仰臥位を勧める。

A127 正解(3)

  • (1)避ける。胃の停滞時間が長く肥満を招く。肥満は腹圧が高くなり逆流を起しやすい。(2)避ける。胃酸分泌を促進し食道炎症が増す。(4)避ける。腹部を圧迫するので逆流を起しやすい。(5)避ける。座位は重力がかかるので逆流しにくい、反対に横になると逆流しやすい。

    • Q128

  • 消化器疾患とその栄養管理の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 胃・十二指腸潰瘍ー炭水化物制限
  2. たんぱく漏出性胃腸症ーたんぱく質制限
  3. C型慢性肝炎ー鉄制限
  4. 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)ー食物繊維制限
  5. 胆石症ー水分制限

A128 正解(3)

  • (1)制限しない。胃酸分泌を促進せず刺激も少ない。たんぱく質は胃酸分泌を促進するが消化器粘膜の修復のため高たんぱく質にする。(2)高たんぱく質・低脂肪食。アルブミンが消化管内に異常に漏れ出ることにより起こる低たんぱく血症を主徴する症候群。(4)増やす。肥満・メタボリックシンドローム等が原因、肥満解消の為に摂取。(5)脂肪制限。脂肪を多く摂取すると胆汁が多く分泌、収縮により疝痛発作が起きやすい。

    • Q129

  • 腸疾患の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 過敏性腸症候群では、カリウムの摂取量を制限する。
  2. 潰瘍性大腸炎では、エネルギーの摂取量を制限する。
  3. 潰瘍性大腸炎では、葉酸の摂取量を制限する。
  4. クローン病では、脂質の摂取量を制限する。
  5. クローン病では、ビタミンB12の摂取量を制限する。

A129 正解(4)

  • (1)制限しない。精神的なストレスが誘因で発症、器質的病変は認められない。下痢型=食物繊維の多い食品・アルコール・香辛料・コーヒー・牛乳・冷たい飲み物等の刺激物を制限。便秘型=水溶性食物繊維の摂取・脂質を通常の2/3程度。(2)第一選択は薬物療法で食事療法は補助的手段。高エネルギー・高たんぱく質・低脂肪・低残渣食。(3)制限しない。(5)制限しない。低残渣食。

    • Q130

  • 肝硬変の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 腹水がある場合には、エネルギーの摂取量を制限する。
  2. 食道静脈瘤がある場合には、亜鉛の摂取量を制限する。
  3. 高アンモニア血症がある場合には、脂質の摂取量を制限する。
  4. 低血糖がある場合には、ラクツロースを投与する。
  5. フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。

A130 正解(5)

  • (1)食塩摂取量を制限。(2)とがった食品・刺激物を避け食道上皮組織に損傷を与えないよう注意。(3)たんぱく質摂取量を制限。(4)投与しない。便秘薬として使われる薬。

    • Q131

  • 合併症のない男性高血圧症患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 飽和脂肪酸の摂取を勧める。
  2. 食塩摂取量は、8g/日とする。
  3. アルコール摂取量は、エタノールで20~30mL/日以下とする。
  4. カルシウムの摂取量を制限する。
  5. マグネシウムの摂取量を制限する。

A131 正解(3)

  • (1)控える。動脈硬化を進行させるので。(2)6g/日未満。(4)制限しない。(5)制限しない。

  • Q132
  • 60歳、男性。身長168cm、体重65kg(標準体重62kg)。虚血性心疾患と診断された。この患者の1日当たりの目標栄養量である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. エネルギー 1,000kcal
  2. たんぱく質 40g
  3. 脂質 80g
  4. 飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率 6%E
  5. 食物繊維 10g

A132 正解(4)

  • (1)少ない。エネルギー投与基準量=25~30kcal/標準体重/日。1,550kcal(25×62)~1,860kcal(30×62)/日。(2)少ない。たんぱく質投与基準=1.0~1.2g/kg体重。65g~78g/日。(3)多い。脂質投与基準=エネルギー比20~25%。1,860kcal×25%=465kcal、脂肪量換算=465kcal÷9=51.7g。(5)10g/1,000kcal。

    • Q133

  • 62歳、男性。身長170cm、体重80kg(標準体重63.6kg)、管理職(軽労作)。糖尿病腎症と診断された。血圧145/91mmHg、推算糸球体濾過量(eGFR)70mL/分/1.73m2、血清カリウム値4.5mEq/L。微量アルブミン尿がみられる。この患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. エネルギー摂取量は、40kcal/kg標準体重/日とする。
  2. たんぱく質摂取量は、1.2g/kg標準体重/日とする。
  3. 炭水化物の摂取エネルギー比率は、70%Eとする。
  4. カリウム摂取量は、1,500mg/日以下とする。
  5. 水分摂取量は、前日の尿量と同量とする。

A133 正解(2)

  • (1)第2期(早期腎症)。25~30kcal/kg標準体重/日。(3)50~65%E。(4)制限しない。62歳男性目安量=2,500mg/日。(5)制限しない。

    • Q134

  • CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. テージ1では、カリウムの摂取量を制限する。
  2. ステージ2では、たんぱく質の摂取量を制限する。
  3. ステージ3では、食塩摂取量を7g/日とする。
  4. ステージ4では、エネルギー摂取量を2535kcal/kg標準体重/日とする。
  5. ステージ5では、たんぱく質摂取量を0.6g/kg標準体重/日未満とする。

A134 正解(4)

  • (1)制限しない。(2)過剰な摂取をしない。(3)3g/日以上6g/日未満。(5)0.6~0.8/kg標準体重/日。血液透析の場合0.9~1.2g/kg標準体重/日。

    • Q135

  • 透析患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
    • (1)血液透析では、たんぱく質摂取量を1.0g/kg標準体重/日とする。

    •                (2)血液透析では、飲料水の摂取量を30mL/kg標準体重/日とする。

    •                (3)血液透析では、カリウムの摂取量を制限しない。

    •                (4)腹膜透析では、腹膜吸収エネルギー量を含めてエネルギー量を
                              25kcal/kg標準体重/日とする。

    •                (5)腹膜透析では、リン摂取量を2,500mg/日とする。

  • A135

  • 正解(1)

    (2)30mL/kg標準体重/日は多い。出来るだけ少なく。(3)2,000mg/日以下。(4)30~35kcal/kg標準体重/日。性別・年齢・合併症・身体活動度により異なる。(5)2,500mg/日は多い。たんぱく質(g)×15mg以下。

    • Q136

  • 内分泌疾患の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. クッシング症候群では、インスリン感受性が亢進する。
  2. クッシング症候群では、カリウム制限食とする。
  3. バセドウ病では、基礎代謝が亢進する。
  4. バセドウ病では、たんぱく質制限食とする。
  5. 橋本病では、血清総コレステロール値が低下する。

A136 正解(3)

  • (1)副腎皮質機能亢進症で副腎皮質ホルモン分泌が亢進。(2)制限しない。(4)制限しない。(5)増加する。

    • Q137

  • 神経性やせ症(神経性食欲不振症)の症候である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 血清トリヨードサイロニン(T3)値の上昇
  2. 高カリウム血症
  3. 頻脈
  4. 食行動異常
  5. 活動量の低下

A137 正解(4)

  • (1)上昇しない。(2)ならない。(3)ならない。(5)亢進。

    • Q138

  • 食物アレルギーに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  1. バナナは、交差抗原を含む。
  2. ヒスタミンは、アレルギー症状を抑制する。
  3. 加熱処理により、アレルゲン性は減弱する。
  4. 口腔粘膜の症状が、出現する。
  5. アナフィラキシーショック時には、エピペンⓇを用いる。

A138 正解(2)

  • (2)過剰に存在すると促進させる。

    • Q139

  • がん患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  1. 化学療法では、悪心が出現する。
  2. 放射線療法では、食欲不振がみられる。
  3. 外科療法では、低栄養のリスクがある。
  4. がん悪液質では、除脂肪体重が減少する。
  5. 早期がん患者は、緩和ケアの対象に含めない。

A139 正解(5)

  • (5)病態により対象に含める。

    • Q140

  • 重症熱傷患者の入院翌日の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 基礎代謝が、低下する。
  2. 血管透過性が、低下する。
  3. 健常時よりNPC/N(非たんぱく質カロリー窒素比)を低くする。
  4. グルタミンを制限する。
  5. 水分を制限する。

A140 正解(3)

  • (1)増加する。(2)亢進する。(4)制限しない。(5)制限しない。

    • Q141

  • ガラクトース血症(Ⅰ型)で除去すべき食品成分である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. グルコース
  2. フルクトース
  3. スクロース
  4. マルトース
  5. ラクトース

A141 正解(5)

  • ガラクトースの代謝障害で体内にガラクトースが多くなり各種障害をもたらす。(1)単糖で吸収利用される。(2)単糖で吸収利用される。(3)二糖類で消化されグルコースとフルクトースになり利用される。(4)二糖類で消化され2分子のグルコースになり利用される。

    • Q142

  • 褥瘡に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  1. 評価法には、DESIGN-RⓇがある。
  2. 肩甲骨部は、好発部位である。
  3. 十分なエネルギー摂取が、必要である。
  4. 滲出液がみられる時には、水分制限を行う。
  5. 予防には、除圧管理が有効である。

A142 正解(4)

  • (4)制限せず補給。床ずれともいわれる。滲出液がみられる時は水分損失が多くなる。

クッシング症候群 コルチゾール なぜ?

コルチゾールはあらゆる生体機能を調整する働きがあり、多すぎても少なすぎても病気につながります。 コルチゾールが過剰になりクッシング症候群を引き起こす主な原因は、副腎皮質腺腫(副腎皮質の腫瘍)や脳の下垂体と呼ばれる部位にできる腫瘍です。 まれに副腎皮質がんが原因となることもあります。

クッシング症候群でみられないのはどれか?

クッシング症候群では、体内の副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)が過剰な状態となる。 満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満などの症状はあるが、頸部リンパ節腫脹はみられない

クッシング症候群 中心性肥満 なぜ?

コルチゾールの影響により体幹に過剰な脂肪がつくため、肥満傾向が見られる。 ムーンフェイスという丸く大きな満月様の顔になるのも特徴的な徴候。 一方、手足は筋肉が衰え、体幹に比べると細くなる。 これを「中心性肥満」と呼ぶ。

クッシング症候群の体重増加は?

クッシング症候群では体の中心に脂肪沈着が集中し中心性肥満と呼ばれる状態となります。 甲状腺機能低下症では浮腫を伴い体重増加します。 しかしながら、四肢の浮腫として気づかれる体重増加のほとんどは水分の増加によるものですのでこの場合は内分泌以外の病気も調べる必要があります。