眼精疲労にマッサージ。本当に大事なのは「後頭部」!※動画解説付き
新型コロナの影響もあり、私たちの生活は急激にデジタル化が進みました。
スマホやPCがあればたくさんの映画を観ることができますし、食べたかったレストランの味もデリバリーできます。
人とのコミュニケーションも、いまや対面よりもデジタル機器を通して行うことのほうが多くなったのではないでしょうか?
そうしたデジタル社会は便利な反面、スマホやPCの画面など近くの物を長時間見続けることにより、目の疲れや不調につながりやすくなっています。
目の疲れというと、つい目元をマッサージしたくなりますが、ぜひ試していただきたいのが、目と関わりの深い「後頭部」のマッサージ。
視界がクリアになりますよ。
<監修>
石垣英俊先生(鍼灸マッサージ師・カイロプラクティック理学士)
いしがき・ひでとし 東京・神楽坂にある背骨専門サロンスタジオ「神楽坂ホリスティック・クーラ」代表。
一般社団法人日本背骨養生協会代表理事。東西の智慧を独自に融合させながら、体の不調に悩んでいる人々へよりよい施術やアドバイスを提供している。近著に『ココロとカラダの地図帳 プロが教えるストレスケア73』(池田書店)。
〈目次〉
目の疲れには「後頭部」をもみほぐすと良い理由
目の疲れがつらい時は目薬をさしたり、目を温めたり、目元をマッサージしたりしていますよね。
それと合わせて行って欲しいのが「後頭部」のマッサージです。
首と頭の境目の深層には「後頭下筋群」という小さな筋肉が集まっています。
この後頭下筋群は、首や頭が目の動きと連動して動くのを制御する働きがあり、目を使い過ぎると、後頭下筋群も働き過ぎて硬くなってしまうのです。
また後頭下筋群は、後頭骨と頚椎につながるため、眼精疲労に影響する自律神経とも密接です。
目が疲れている時は、この後頭下筋群のエリアが硬くなっているので、マッサージでもみほぐしてあげましょう。
目の疲れは「肝」が弱っているサイン
目が疲れている状態は、東洋医学では主に「肝」が弱っていると考えます。
「肝」とは、東洋医学の「五臓」の考え方に基づくもので、血液の貯蔵、代謝や解毒、感情のコントロール、肝臓や胆嚢、そして目の働きなどにかかわっています。
「肝」が弱っていると、イライラしやすく、落ち着きがなくなったりしがちなので、リラックスを心がけるようにしましょう。
食事では酸味のある食物や、香りのよい食物を取り入れると「肝」のケアにつながります。
目の疲れ改善におすすめのマッサージ3種
目の疲れに効果的な、首の後ろや後頭部のマッサージをご紹介します。
このエリアには、目と関わりの深い筋肉や神経が集まっています。
ストレス解消にも効果的ですよ!
【首の後ろのマッサージ】
首の後ろに手のひらを当て、つまむようにもみほぐすマッサージです。
目の疲れに効く「風池」というツボも刺激します。
【うなじ周辺のマッサージ】
うなじ周辺にある後頭下筋群を中心にマッサージします。
マッサージする手の置き方がポイントです。
【側頭筋マッサージ】
目が疲れていると、側頭筋も硬くなっています。
もみほぐして柔らかくしましょう。
顔のリフトアップ効果も!
スマホやPCの画面は、つい時間を忘れて見続けてしまいますが、こまめに画面から目を離し、遠くを見るようにしましょう。
集中すると時間を忘れてしまうという人は、スマホのアラーム機能を使うのもおすすめ。
デジタル社会で酷使されがちな目は、意識的に休ませてあげることが大切ですよ。
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治療・予防
首凝りのセルフケア
筋肉の構造に着目した運動が有効
首の凝りに悩まされる人は多い。パソコンやスマートフォンの見過ぎで、10代でもひどい首凝りを起こす人がいる。整形外科への受診が基本だが、自分でできるメンテナンスやケアも知っておきたい。文京学院大学(埼玉県ふじみ野市)保健医療技術学部理学療法学科の上田泰久さんは「首凝りの改善は、関与する筋肉を別々にほぐすのがポイントです。筋肉の重なりを意識した運動を覚えると自己管理がしやすくなり、病院へ通う頻度が少なくなります」と話す。
まずは2週間、続けてみましょう
▽首の筋肉は3層構造
首の後ろ側の筋肉は基本的に3層構造になっている。どの層の筋肉も首や頭部の動きに関わるが、首凝りへの関与が特に大きいのは、最深部にある3層目の後頭下筋群だという。
「後頭下筋群は、大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の四つから成る筋肉で、首の動きや目の動きに伴う頭部の微妙な動きを支えています」と上田さんは説明する。
頭部は横から見るとこめかみの辺りに重心があり、前のめりの状態になりやすい。例えばパソコンの画面を見ながら目を動かし、長時間作業を続けると、前に傾いた頭を首の後ろにある3層の筋肉が支え続けるため、首凝りが生じやすいのだという。
▽層の癒着を剥がす運動
首凝りの改善は、3層目の後頭下筋群をほぐすことが重要になる。しかし後頭下筋群は体の表面から深い場所に位置するので、マッサージでほぐすのは難しい。上田さんは「筋肉の収縮と弛緩(しかん)を繰り返す筋肉ポンプの作用で3層の筋肉を個々に動かし、癒着を剥がして血流を促進させます」と言う。
あおむけになり目を閉じ、左右20度ずつ、頭を転がすようにゆっくりと動かす「イヤイヤ運動」、顎を指4本分ゆっくりと上げて元に戻す「顎上げ運動」で、後頭下筋群自体をほぐす。次に頭で枕を押す「枕押し運動」で2層目と1層目の筋肉を動かし、後頭下筋群との癒着を剥がす。最後に「顎下げ運動」で首の前側の筋肉を動かし、後頭下筋群をさらにほぐす。動かし過ぎると他の筋肉が動いてしまうので、動かす角度に注意する。
上田さんは「まず、2週間継続してみてください。2週間続けても症状が改善しない、または手にしびれがある場合などは、関節や神経の問題かもしれないので、医療機関で詳しい検査をしてください」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)
(2020/01/12 13:30)
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